2022年国際女性デーによせて
3月8日は国際女性デーです。僕は、8年間のプロ野球選手としてのキャリアを通して、球界の女性に対する態度が徐々に変化してきていることを自分の目で見てきました。今日はそんな僕の経験をみなさんに共有したいと思います。
フロリダ州ダニーデンのスプリングトレーニング施設に初めて足を踏み入れたときに最初に気付いたことは、ブルージェイズで働く女性の数の多さでした。ブルージェイズは多くの女性を雇用しているだけでなく、その女性たちは打撃コーチからフィジカルコーチ、バイオメディカルエンジニアにも配属されています。これらの役職はこれまで長い間、MLBでは男性のみが担っていた役職です。
僕は8シーズンもプロ野球でプレーすることができ、さまざまなチームでプレーする機会をいただけたことをとても幸せに思っています。その間に僕が学んだことの1つは、野球界は常にものすごいスピードで変化しているということです。野球界で女性が受け入れられるには長い時間がかかっていますし、人々の意見がぶつかるトピックでもあります。残念ながら、女性スタッフがプロフェッショナルとして扱われなかったり、男性の同僚や選手から軽視されたりすることは珍しくありません。しかし、ブルージェイズでは、そのような光景を一度も見たことがありません。
性別を問わず、すべてのスタッフが絶対的なプロ意識を持って平等に扱われるべきですが、残念ながら野球界で働く女性は性差別的な態度を受けることがあります。MLBの各チームは、独自のアイデンティティを持っています。それは、トップダウンで形成され、ボトムアップで強化されます。フロントオフィスの役員は自分と同じ思想を持つスタッフを雇用し、そのスタッフがまた自分と同じ思想を持つプレーヤーを雇い、組織全体は同じような思想を持った人々で構成されるのです。プレーヤーはその環境で学び、いずれはスタッフとして雇用される…というサイクルです。ブルージェイズは、ワールドシリーズのタイトルをトロントに持ち帰るという使命を果たすため、『多様性』『違いを認め合うこと』『プロ意識』の3点を何よりも大切にしています。
僕は、日々一緒に仕事をする女性たちを誇りに思っていますし、チームメイトを誇りに思っています。そして、トロント・ブルージェイズの一員であることを誇りに思っています。
野球界で歴史を作ってくれているすべての女性へ、そして、世界中のすべての女性へ、国際女性デー、おめでとうございます。
Now let’s play some baseball.